
日本政府、AIイノベーションで「反転攻勢」へ:年内「AI基本計画」策定で世界をリードか
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導入文
AI技術の急速な発展は、世界各国に大きな影響を与えています。日本政府もこの流れに乗り遅れまいと、AIによるイノベーションを国家戦略として推進する「AI基本計画」を年内に策定する方針を打ち出しました。これは、AI開発競争が激化する国際社会において、日本が「反転攻勢」をかけるための重要な一歩となります。
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要約本文
日本政府は、世界で最もAI(人工知能)を開発・活用しやすい国を目指し、年内に「AI基本計画」を策定する方針を決定しました。9月12日に首相官邸で開催された「AI戦略本部」の初会合では、AIによるイノベーション推進とリスク対応を両立させるための基本計画の骨子案が議論されました。石破茂首相は、AIが社会課題の解決、産業競争力の強化、そして安全保障上極めて重要であると強調し、米中を中心としたAI開発競争に日本が乗り遅れている現状に対し、「反転攻勢」をかけるべく、早急な支援策と制度的対応を講じるよう指示しました。
この基本計画は、今年5月に国会で成立したAI特化の新法に基づき、以下の4つの基本的な方針に沿って具体的な施策が整理されています。
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1. AI利活用の加速的推進
社会全体でAIの活用意識を高め、新たな事業や産業の創出を促進します。
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2. AI開発力の戦略的強化
信頼性の高い独自の「AIエコシステム」を国内に構築し、海外にも展開。国内外から優秀な人材を集め、日本の強みである質の高いデータを活用してAI開発力を強化します。
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3. AIガバナンス(統治)の主導
AIの適正性を確保するためのPDCAサイクルを回し、国際的なAIガバナンスの議論で主導的な役割を果たします。
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4. AI社会に向けた継続的変革
AIが産業、雇用、社会に与える影響を継続的に検証し、適切な対応策を講じます。
政府がこの国家戦略策定を急ぐ背景には、AIの急速な進化があります。自律的に業務を実行する「AIエージェント」や、現実世界のロボットを動かす「フィジカルAI」といった技術革新が進む中、各国は国力を左右するAI開発を加速させています。しかし、米スタンフォード大学の調査によると、2024年のAIへの民間投資額で日本は約9億ドルと14位に留まっており、米国(約1091億ドル)、中国(約93億ドル)、英国(約45億ドル)に大きく後れを取っている状況です。日本はAIの利活用が十分に進んでおらず、関連投資も停滞しているという課題を抱えています。
城内実AI戦略担当相は、日本の文化や習慣を踏まえた信頼できるAIの開発と、独自のAIエコシステムの構築が極めて重要であると述べ、国産AI開発を積極的に支援する考えを示しました。また、国際競争力を維持するため、AI基本計画を毎年見直していく方針です。計画には最新の技術動向を反映させるため、産学官連携を重視し、専門調査会で有識者の意見を聴取しながら進められます。この計画が、日本のAI分野における国際的な地位向上と経済成長に繋がるか、今後の動向が注目されます。
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元記事
[政府、AIによるイノベーションで反転攻勢 年内に「基本計画」策定へ](https://news.yahoo.co.jp/articles/75c49872a61bf55aa830715ad42492fd770e9e41?source=rss)