OpenAI、営利企業へ移行でウォール街での大規模IPOの可能性が浮上

# OpenAI、営利企業へ移行でウォール街での大規模IPOの可能性が浮上

## 導入:AI開発競争の新たな局面

人工知能(AI)分野のリーダーであるOpenAIが、非営利団体と営利企業を組み合わせた従来の特殊な組織構造から、より伝統的な営利企業に近い「パブリック・ベネフィット・コーポレーション(PBC)」へと移行しました。この組織改編は、AI開発に必要な巨額の資金調達を可能にし、ウォール街での大規模な新規株式公開(IPO)の可能性を示唆しています。

## 組織再編の背景と目的

OpenAIはこれまで、非営利の親団体が営利部門を支配するというユニークな構造を採用していました。しかし、生成AIブームの加速に伴い、開発競争は激化し、より多くの資金が必要となっています。今回のPBCへの移行は、公共の利益と社会善の創出を目的としつつも、一般的な企業と同様に資金調達の自由度を高めることが主な目的です。

### 巨額の資金調達への道

この組織改編により、OpenAIは伝統的な企業に近い事業運営が可能となり、巨額のAI開発資金を調達しやすくなります。特に、1兆ドル(約150兆円)規模の評価額でのIPO計画が浮上しており、実現すればテクノロジー業界における歴史的な出来事となります。これは、GoogleやAmazonといった巨大企業と、より強固な基盤で競争するための重要な一歩です。

### 財団の資産価値の増大

組織再編の結果、設立以来OpenAIを支配してきた非営利団体(現「オープンAI財団」)は、約1300億ドル(約20兆円)相当の同社株を保有することになりました。これにより、同財団はビル・ゲイツ財団の資産をはるかに上回り、アメリカで最も価値の高い財団の一つとなります。

## まとめ:AI業界の未来図

OpenAIの営利企業化は、AI業界全体が次の成長フェーズへと移行していることを示しています。巨額の資金がAI開発に投じられることで、技術革新のスピードはさらに加速するでしょう。一方で、公共の利益を追求するPBCという形態が、営利目的とAIの安全性・倫理性のバランスをどのように取るのか、今後の動向が注目されます。


**元記事のアンカーリンク**
[オープンAIが「普通の営利企業」に変わる意味。ウォール街での大規模IPOの可能性も見えてきた](https://toyokeizai.net/articles/-/914561)