TSMC熊本第2工場がAI・自動運転向け高性能半導体を生産へ:日本の経済安全保障の柱

導入:半導体大手TSMCの日本における次なる一手

半導体受託生産の世界最大手である台湾積体電路製造(TSMC)の子会社が、熊本県菊陽町に建設を予定している第2工場について、本体工事に向けた立地協定を同町と締結しました。この第2工場は、日本初の生産拠点である第1工場よりもさらに高性能な半導体を生産する計画であり、その用途として**人工知能(AI)**や**自動運転**といった最先端分野が想定されています。この一大プロジェクトは、日本の経済安全保障上の重要な柱として、大きな期待と注目を集めています。

熊本第2工場:AI時代の高性能チップ生産拠点

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第1工場を凌駕する高性能半導体の生産

TSMCの熊本第2工場は、2027年末までの操業開始を目指しており、第1工場(JASM)が主に生産する半導体よりも、さらに微細で高性能な先端半導体の生産を計画しています。特に、AIや自動運転といった高度な計算能力を必要とする分野向けのチップが想定されており、これは世界的な半導体需要のトレンドを強く意識した動きと言えます。

AIの進化に伴い、より高速で電力効率の高い半導体チップの需要は爆発的に増加しています。TSMCが日本国内でこのような最先端の半導体を生産することは、日本の産業界にとって、AI時代における競争力の強化に直結します。

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日本の経済安全保障と半導体サプライチェーン

このTSMCの熊本進出は、単なる経済活動に留まらず、日本の**経済安全保障**の観点からも極めて重要です。半導体は「産業のコメ」とも呼ばれ、その安定供給は国家の安全保障に直結します。地政学的なリスクが高まる中、国内に最先端の半導体生産拠点を確保することは、サプライチェーンの強靭化に不可欠です。

木原稔官房長官は記者会見で、「半導体生産の基盤強化と拠点形成を引き続き促進したい」と述べ、政府としてもこのプロジェクトを全面的に支援していく姿勢を示しました。

課題と今後の展望

一方で、工場周辺では、建設ラッシュに伴う**交通渋滞**の発生など、地域社会における課題も顕在化しています。地域住民との調和を図りつつ、日本の経済安全保障の柱を担う一大事業が予定通りに進むのかが今後の焦点となります。

TSMCの熊本第2工場は、AIと自動運転という未来の産業を支える高性能半導体の供給を通じて、日本と世界の技術革新に貢献する重要な拠点となるでしょう。

[元記事: TSMC熊本第2工場建設で協定 子会社と菊陽町](https://373news.com/index.php/news/national/detail/2025102401000529/)