
# 米政府、エヌビディアとAMDの対中AIチップ販売再開を条件付きで承認
## 導入
米国半導体大手のエヌビディアとアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が、中国市場向けAI半導体の販売再開に向けて、米政府に販売収益の一部を納付することで合意しました。これは、米中間の技術覇権争いが続く中で、新たな輸出管理の形を示すものです。
## 合意の内容と背景
トランプ政権は、エヌビディアの「H20」とAMDの「MI308」といったAI半導体の対中販売を安全保障上の懸念から禁止していましたが、今回の合意により、販売収益の15%を米政府に納付することを条件に輸出ライセンスの発給を開始しました。これは異例の措置であり、通商専門家からは「輸出税」とみなされる可能性が指摘されています。
## 影響と中国の反応
この合意は、米国の国際的なビジネス取引への介入が強まっている流れと一致しており、法的な異議申し立てに直面する可能性もあります。一方、中国政府は「H20」に位置情報追跡や遠隔停止機能があることを懸念し、政府関連用途での使用を避けるよう国内企業に求めていますが、全面禁止には至っていません。これは、中国が自国の通信機器大手ファーウェイの市場を形成しつつも、実需に応じてH20の購入を許容するという複雑な戦略を示唆しています。
## 今後の展望
今回の合意は、米国の輸出管理政策が新たな段階に入ったことを示しており、今後の米中間の技術貿易に大きな影響を与える可能性があります。企業は、地政学的なリスクを考慮しながら、サプライチェーン戦略を再構築する必要に迫られるでしょう。
[元記事](https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/08/c62bcbf7f14c3f97.html)